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 米国カジノ法制の歴史と市場発展

米国の本格的なカジノ法制は1931年のネバダ州カジノ合法化にはじまり70余年の歴史を持つ。米国ではカジノ合法の是非は各州の定める州法を根拠とされ、米国内においてもカジノを合法化する州としない州に分かれている。現在、米国50州中でカジノを合法化している州はネバダ、ニュージャージ、ミシシッピ、イリノイ、コロラド、アイオワ、サウスダコタ、ルイジアナ、ミシシッピ、インディアナ、ミシガンの11州である。それに加えて、アメリカ国内での独立自治権の認められているアメリカ原住民居住区内でもカジノが合法化されており、こういった原住民経営のカジノが全国24州に渡って存在している。

 

全米のカジノ合法地区マップ

出典;「米国カジノ制作と運営・規制の実態」 野村 F. 紀代美

 

 このように1931年以降、全国に広がっていった米国の合法カジノであるが、そこには3つの転換点があるといわれている、以下ではその転換期を順に説明してゆく。

 

第一転換期 ネバダ州の包括的カジノ合法化(1931年)

 一般的に米国でカジノが合法化されたのは1931年のネバダ州であるといわれるが、実はネバダ州は1869年に一度カジノを合法化していたという歴史がある。しかし、その合法化も1909年に覆されカジノは全面禁止となり、その後再び合法化されたのが1931年のカジノ合法化であった。

 1869年と1931年のカジノ合法化の違いは、カジノに対するその法的スタンスにある。1869年のカジノ合法化は、当時横行していた地下カジノの規制のために行われたものであり、カジノの営業を規制し地域の公序良俗を守ることを目的としたものであった。その法文の中で形式的にカジノの存在は認めているものの、実質は日本の風適法*1下の風俗営業管理に近いものであったといえる。しかし、1931年になされたカジノ合法化は「カジノ産業は地域の経済発展に寄与するもの」と認め、カジノ産業を健全に育成するための法律として制定された。この1931年の立法は1869年の合法化と区別するため「Wide Open Gaming Bill(包括的ゲーミング法案)」と呼ばれ、これが法の管理の元で運営される米国初めてのカジノ合法化であるといわれている。

第二転換期 ニュージャージ州カジノ合法化(1976年)

 1931年以降、しばらくカジノはネバダ州の独壇場のビジネスである時代が続いた。しかし1976年にはニュージャージ州がカジノ合法化に踏み切り、カジノ市場へ参入することとなる。そしてこの1976年のニュージャージ州のカジノ合法化こそが、その後に全米各州がカジノ合法化に踏み切るための重要な試金石となったと言われている。

 ネバダ州の本格的なカジノ合法化以降、カジノ産業の持つ大きな経済性や雇用効果などが広く認知されるようになった。しかしその合法化は、1)合法化以前からカジノが多数存在し、2)他に州経済を支えるような産業がほとんど無かった、というネバダ州の特殊な環境が実現したものであり、その他の地域においてのカジノ合法化は難しいと考えられていた。そういった通説を覆したのが、1976年のニュージャージ州のカジノ合法化である。ニュージャージ州はネバダ州のカジノ統制システムをモデルに、より厳しい不正の起こりにくい産業管理を可能とした統制システムを確立させ、合法カジノをスタートした。そしてその厳格な統制の元でも、カジノの持つ経済性や雇用効果を最大限に引き出せるという事を証明したのである。事実、合法化以降、ニュージャージ州カジノ市場は以下の図のように急成長し、東海岸の一大カジノ都市とまで成長を果たした。

NJCCC "Casino Gaming in Jew Jersey", 1998を元に独自作成

 

第三転換期 カジノの全国拡大(1980年後期以降)

 1976年に合法化したニュージャージ州カジノの成功は、財政難に悩む多くの自治体に同様のカジノ合法化論議を巻き起こした。1988年、アメリカ国内の貧困地域に追いやられ、経済的に逼迫していたアメリカ現住民族の経済的自立を支援するために「Indian Gaming Regulatory Act(原住民ゲーミング規制法)」が制定され、全米に広がる原住民居住区でのカジノ営業が可能となった。

 また1989年にはミシシッピ、イリノイ、コロラドの3州がカジノを合法化。つづく1990年にはアイオワ、サウスダコタが合法化に踏み切り、1990年代は全米各州が競ってカジノ合法化を果たす事となるのである。

 現在、アメリカカジノ産業は各州商業カジノと原住民カジノの合計で425億ドル(約4兆6千億円)を超える市場規模となっており、同じ米国内の娯楽産業である映画産業392億ドル、レコード産業143億ドル、遊園地産業96億ドルなど(浜野,2003)を超える巨大産業へと成長している。

出典;各種データを元に弊社が独自作成

 

参考文献;
「米国カジノ制作と運営・規制の実態」野村 F. 紀代美著 エース総合研究所 2002年
「表現のビジネス」浜野保樹著 東京大学出版 2003年
New Jersey Casino Control Commission "Casino Gaming in Jew Jersey", 1998

 

注釈;1.風適法…「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」



文責;EB総研 研究員 木曽崇

注意月刊メインコンテンツは現在無料公開中ですが、将来的にはEBIカジノ情報会員様専用のコンテンツになる予定です。

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