- UNLVの新報告書、AI管理計画を持つ企業は少数と判明
- 企業の80%が生成AIを利用する一方、監督・管理の専任チームは大半で不在
- 規制当局、免許保有者によるAI技術の現行導入への信頼感と把握度の低さを表明
ラスベガス大学(UNLV)の新たな報告書によると、多くのゲーミング企業が何らかの形で人工知能(AI)を導入している一方、管理方法の計画を持つ企業はごく少ない。 そのため、この新技術の導入と統制の間には大きな隔たりが生じている。
ラスベガス大学国際ゲーミング研究所(IGI)のAI研究拠点(AiR Hub)が、金融コンサルティング会社KPMGと連携して毎年公表する予定の「State of AI in Gaming」初版は、世界の83のギャンブル企業と113の規制当局を調査した。AIの利用状況と監督体制を把握するためである。
著者らは4つの分野を調べた。企業のAI活用の成熟度、規制の整備状況、進んでいる革新の度合い、そして企業がAIを責任ある形で使っているかである。
「社会はAIの転換点にあり、これまでギャンブル業界の現状を把握するための厳密で独立した基準はなかった」と、IGIの研究部長で報告書編集長のカスラ・ガハリアン氏は声明で述べた。
「The State of AI in Gaming」報告書は、その空白を埋めることを目的とする。 ギャンブル業界でのAI導入、投資対効果、責任ある統合を進める事業者、規制当局、研究者、そしてすべての関係者にとって、不可欠な資料となる。
弱いAI統治
報告書で最も明確な結果の1つは、AI統治である。 これは、企業がAIを管理するために用いる規則と手順を指す。 同分野は報告書の成熟度指数で最も低く、100点満点中30点だった。
統治計画は、誰がAIツールを使えるかを示す。 また、データの扱い方や、誤りや偏りの確認方法も定める。 さらに、問題が起きた際の対応も明記する。 報告書によると、こうした規則集を備える企業は少ない。 実際、AI監督を担う担当者やチームがあるのは、企業の約5分の1にとどまる。
調査では、企業の80%超がすでに生成AIを活用していることも分かった。 用途は執筆、データ分析、コンテンツ作成などである。 一方で、より高度な「エージェント型」AIを使う企業ははるかに少ない。 同AIは、自律的に判断し、行動も取れる。
研究者らは、導入が遅いのは理にかなうと述べた。 ギャンブル業界は規制が厳しく、誤りが顧客や法令順守に影響し得るためである。
もう1つの重要な発見は、規制当局と事業者の間にずれがあることだ。 規制当局は、企業がAIをどう使っているかを常に把握しているわけではないと述べた。 また、多くはAIを監督する自信がないとしている。 双方は、責任あるAIの実践がなお未成熟だと一致している。
「我々が明らかにした規制当局と業界の断絶は、本報告書で最も重要な発見の1つだ」と、AiR Hub共同創設者で編集長のシモ・ドラギチェビッチ氏は述べた。
規制当局は、免許保有者によるAIの利用を適切に監督する能力が不足していると考えている。 データも、当局がしばしば不完全な把握しかできていないことを示している。 一方、業界全体の責任あるAI実践は、せいぜい初期段階にある。
「AIが業務により深く組み込まれるにつれ、この監督の空白に対処する必要性は、いっそう差し迫ったものになる」とドラジチェビッチ氏は結論づけた。
UNLVは5月27日、IGIの第19回国際ギャンブル・リスクテイキング会議で報告書を紹介する予定だ。 同研究所が3年ごとにベラージオで開催するイベントである。